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フィンランドデザイン展

渋谷の Bunkamura で開催されている「ザ・フィンランドデザイン展 ― 自然が宿るライフスタイル」を観に行った。

フライヤーにも載っているサヴォイというガラスの花瓶に展示の照明が透けてできた影がとても素敵だった。花瓶の影を見ながら、IKEA のランプシェードのことを思い出していた。あっちはスウェーデンだけど。寒い地域だから外よりは家の中で、ランプの作る影を眺めたりして楽しんできたのだろうか。

フィンランドのデザインは機能主義的な工業製品をベースに発展してきた、といった説明があって少し意外に感じた。確かに北欧デザインは無駄な装飾がなくてシンプルだけど、どちらかというと全体的に自然的でカラフルかつ柔らかい印象で、時代とともに機能性が求められてきたのかなと思っていた。などと考えていたら、1917 年にロシアから独立したと説明があって、工業化が十分に進んだところからデザインを発展させてきたと考えると納得がいった。

今回いちばんの驚きだったのが、飲食店のお冷やでよく出てくる直径の違う円筒を 2 つ重ねたデザインのコップが、1950 年代の代表的なガラス製の工業製品として紹介されていたこと。北欧デザインって思ったより身近な暮らしに浸透しているんだなあ。

モダンアートの展示がなかなかおもしろくて、ルート・ブリュックという人の、高さの違うブロック状の陶板を並べて立体的に配置してある作品が印象に残っている。それからフリードル・ホルツァー=シャルバリという人の陶芸作品で、色を濃く重ねて吸い込まれるような暗さまでになってるやつ。悪魔の眼みたいなの。

暖かみのあるテキスタイルや食器、透明感のあるガラス作品もある一方で、そういった暗さのある作品もあって多様性を感じた。